金カム207話「塹壕から見えた月」感想
やっと久しぶりに現在の鶴見中尉のお姿が見れてうれs…ぜ、全部見せてる…
唐突なノルマクリアに動揺を隠せない。どうしてみんなカメラに向き直るんだ。基本的に股間は隠すものという至極真っ当な態度を見せている尾形の方がむしろおかしいみたいじゃないですか!!(狂った状況で正常なままの人間が一番狂っている)
しかし、かなり鍛え上げられたお身体であるという事は時折垣間見える筋肉や身体能力からも分かっていましたが、やっぱバッキバキなんですね。門倉部長とは大違いだ。カッコイイ…最前線走るだけある…尾形とスチェンカしてほしい(どうして尾形の傷を増やしそうなこと言うの?)
「まさか按摩のふりをして我々の動きを探っていたとは。この皮の持ち主は大した度胸だ」
「それにしても有古。よくぞ雪崩の中から死体を見つけ出したな」
鶴見が既に"有古は都丹を殺していない"と知った上で言っていると思うと物凄くイヤらしい揺さぶりのオンパレードです!! 鶴見中尉こういうとこあるよね〜「高貴な血統のお生まれだからな」を筆頭としてさ~(あれは隠し事も無い中での煽りだから別格だが)
ナチュラルにサディストなんだろうな。そういうのわりと嫌いじゃないです!
肩を抱いたり手を掛けたりしながら話しかけて誘導するのも鶴見の十八番。こういう風に話されると圧迫感がすごいんですよね…私も実際やられたら有古みたいな気まずげな反応しか出来なかった覚えがある。そう考えると膝を撫でるというかなり親密度の高い接触をされながら「たらしめが…」と笑う余裕があった尾形の反応の強かさは今も際立っているな。あるいは尾形は、こういうパワハラ的な接触はされ慣れていて耐性があったとか(悲しい想像)
「運が悪ければ…刺青人皮の暗号が春の山菜の肥やしになっていたかもしれない。あるいは、野犬が掘り起こして餌になっていたかもしれない」
「一枚でも欠けたら金塊は永遠に、誰にも見つからない可能性があると思うと、ひやりとする話だな…」
そうなんですよね。杉元が初め出くわした酒飲みのオッサンもヒグマに食われかけてましたし、何人分かの刺青が永久に失われる機会なんていくらでもあった。ただでさえ脛に傷のある人間ばかりで平穏無事に暮らせる確率は普通の人よりずっと低いし、それに金塊なんて興味がなく樺太にまで渡ってしまっていた岩息の例もある。刺青人皮が全員分揃わないと解けない暗号で、そしてそれだけが金塊の在り処を示す唯一の道標だとしたら、あまりにもリスキーすぎる。投獄されて監視もされて、それしか方法が無かったと言えばそれまでですが…確実性が無さ過ぎるのではないだろうか。まるで、むしろ永久に失われた方が望ましいとでも言うような…
この鶴見の言葉はどういう意図の発言なんだろうな。二通り考えられます。ひとつは今言った“暗号そのものへの疑念”を抱いているがゆえの述懐。そしてもうひとつは、この有古の造反を燻り出すような遣り取り自体が、有古が「都丹のものだ」と偽って差し出してきた人皮を入手するためのものだったが故の…という可能性。
有古が出してきた人皮が本物か偽物か、という所が問題なんですよね。以前夏太郎が賭場で掴まされた偽刺青人皮が一枚土方勢にはあるので、都丹にそれを土方が託していて、今回の偽装に用いた…という事も考えられなくもないですが。有古が個人的に本物を所有していた、という可能性も十分あるんじゃないだろうか?
偽人皮は鶴見陣営発なわけだから、まだ判別方法も土方勢では分からない以上渡せばすぐに見破られる危険もあるし。
鶴見陣営は、まず有古が都丹を殺すかどうかを試し、そして殺さなかったとして土方陣営へ行く素振りを見せるかどうかを試した。もし都丹と手を組むとしたら、都丹の死を偽装するために、既に持っている刺青人皮を出してくる筈…みたいな。まあそれだとその持ってた一枚を有古が入手したのはどのタイミングなのよって話になるけど。
でも多分有古が血だらけになって決死の思いで「全部盗ってきた」と抱えてきた刺青人皮は、十中八九殆どが偽物で…それを考えると可哀想で可哀想で…;;
「これが中尉殿の持っているすべての刺青人皮でしょうか?」「そうだ(闇)」だもんな。悪いお人やでホンマ。
菊田さんも、ハブられてたのは全部有古に行動を起こさせるための演技でしかなく、初めからずっと鯉登誘拐事件の時と変わらぬ鶴見の忠臣でしかなかったんでしょうか。
「残念だよ。お前はあの塹壕から見えた月を忘れちまったんだな…」
もう完全に師団の人間だと、仲間だと思っていたのに、という嘆きでしょうか。でも、それは他にホームがない菊田の側だけに都合のいい理屈です。日本兵である前に、有古はアイヌです。
どれほどかけがえのない時間を仲間と共有したとしても、そのことがそれ以前に過ごした特別な場所を消し去って塗り替えるというわけではないし、また逆に、そのことが異なる地で仲間と共に生きた時間を嘘にするわけでもない。
一人の人間の中には一つの世界しかない、なんてことはないんです。だから一つの世界に縛り付けるような庇護は、限りなく支配に近いものだということを知っておかなくちゃならない。そうだろアシリパ(飛び火)
しかし苫小牧の殺害現場で遺品を回収したのは鶴見中尉である、という情報はわりと狭い範囲にしか共有されていない情報のようですね。誘拐事件の時の三人と、接触したインカラマッくらい?
尾形の持っていた『遺品に傷をつける』等の知識はもしかして有古由来ではないかと考えたりもしましたが…でもそうだとして、尾形が本格的に造反に乗り出したのは父上殺害後だろうから奉天で離脱した有古に鶴見側の情報を流す機会なんてどっちにしろ無かったか。
なんか師団内の誰しもが他の誰かに監視されている感じですね。五人組とかギルドとか、少人数の監視させ合うコミュニティを人為的に作ることは統治と支配に有効だとどっかで見たような気がしますが…。
有古の父親のマキリがどれかという事まで調べがついてるとか恐ろしい。指紋で特定したのかな? だとするとキロランケの指紋がついていたという話も信用していいのだろうか。
しかし今回初めて金塊強奪事件の“被害者側の遺族”という存在が明らかになり、そりゃそうだよな、殺された七人の方にも家族はいるよなあと改めてシュンと正座する気持ち。
考えてみればアシリパは加害者側の遺族なわけだ。といっても“殺したのは私じゃない”そうだが…。有古はのっぺら坊を恨んでいるだろうな。
ウイルクもキロランケも言ってみれば北海道アイヌの金塊を横から「君たちのためにもなる事だから」とかすめ取ろうとした異邦人なわけで、本来の金塊が集められた目的であった“和人に抵抗する意思”を持つアイヌがアシリパとは別の方面から出てきたという事になる。
やる気もガッツもあるようだし「戦うのはアシリパさんじゃなくたっていいじゃないか」という杉元(と尾形)の主張がキロランケ亡き今少し現実味を帯びたと言えなくもない。というか杉元はともかく尾形は有古を知っているとして、その行動の幾分かには有古の存在が想定されていたんだったりして?
何にせよ宇佐美怖すぎ。風呂場覗いてるのも心霊的に怖いし、噛みついてるのも化け物的に怖いし、血管ビキビキ言わせてキレてるのもガイキチ的に怖くて恐怖の種類を一人でフルコンプしてる…なんなんだよその抉るようなコークスクリューブローは…
譲れない故郷と民族への信念のためやむなく裏切った真面目な有古でこの反応なら、特別近くに居たのに派手に裏切った孤高の山猫がこの宇佐美や菊田とカチ合ったら一体どんなキレ方をされるのかと思うと想像するだに恐ろしい。裏切者には死を!
しかもこれ「数時間前」ということはあの都丹さんとの合流まで有古はこの状況から数時間耐えたってことですよね。ここからがほんとうの地獄だ…。
でも都丹さんがご健在でよかったです。何とか無事逃げ延びてくれ有古。死ぬ思いで持ち出してきた人皮が偽物でも落ち込まないでね…。
杉元と鶴見の刺青が共有された今、他の陣営と被りのない刺青を着々と集めている土方勢が暗号に関しては一歩リードか?と思っていましたがここでこういう展開になるとはね。情報将校こわすぎ。
ということで一週休みの間に溜まったツイートを貼って来週を楽しみに待ちたいと思います。もす!
自分で話題振ったくせに言ったら満足してちょうちょとか見てそう
— 沼門 (@swam698) 2019年7月25日
そのままを肯定>変化しない限り駄目だと否定≧そのままを否定>肯定するために変化を強要、だと思うんだよ。マシな順で
— 沼門 (@swam698) 2019年7月26日
勇作は本当にクソ野郎なんだけど、本人はそう思ってないし、実際本当に善人だし、周りも皆そう思ってるし、尾形もそう思ってるから救いようがないんだよな。勇作はいいヤツだよ。私を殺してくれ(大の字)
— 沼門 (@swam698) 2019年7月26日
津山30人殺しの犯人の動機となった差別の原因は、彼が持病により徴兵検査を丙種合格になった事にあるという。だが健康な男児として名誉をもって送られる戦地も、あのレイテ島のような地獄であったりした。行かぬも地獄行かないも地獄、戦争は知れば知るほど無間地獄のようだ
— 沼門 (@swam698) 2019年7月27日
戦場になんて皆行きたくない、しかし拒否は出来ない、だからこそ持病等で実際行かずに済んだ人間は「ずるい」ので周囲から迫害される…という構図は実際あったのだろう、という推測の一例として津山事件の話を挙げたという(またデリケートな話を初めてしまったので曖昧さを取り除く事に腐心している)
— 沼門 (@swam698) 2019年7月27日
杉元が今回言ったように、人を殺した人間は戻れなくなる。手に染み付いた穢れが落ちない。それは人殺しが本当に呪わしい、忌むべき行いだからだ。だからこそそれをせざるを得ない戦場は悲惨で、兵士は穢れを負う罰と引き換えに罪深い生を手に入れさせられる。
— 沼門 (@swam698) 2019年7月27日
そんな思想受け入れちゃったら、既に多くの人間を殺した、殺させられた皆はどうなるの?って話じゃん。
— 沼門 (@swam698) 2019年7月27日
泣いて抱きしめて、"愛情"で誤魔化したんすよねアイツは…答えなんて出ないから…
そりゃあ殺さないのが一番いいよ…当たり前だよそんなの…だって人を殺すなんてとても悪い事だもの…
嫌な奴に"なれなかった"という点でああ勇作っていいヤツなんだな〜って思って嫌いにはなれないし、同時に"ならなかった"というその事実にムカつくなクソ野郎〜と思いもするんだよ。勝手にしろと思うが、尾形の場合は異母兄弟だったという巡り合わせがな…近づき過ぎると上手くいくはずがないのにね…
— 沼門 (@swam698) 2019年7月27日
尾形としてはそのまま"戻れなく"て良かったのにな。戦場で死ねた方がまだ幸せだったのかもしれないが、なまじ優秀な兵士だったばかりに…
— 沼門 (@swam698) 2019年7月26日
そして逃げ場を無くされたばかりか、死んでも尚化けて出てくるとか最悪すぎるな。まあ尾形が勝手に見てるだけだが…かわいそうな奴ですよ本当に…
尾形の目的は悪霊の除霊
— 沼門 (@swam698) 2019年7月26日
「文化を守りたい、私にも出来る事がある筈」と新しい何かを持とうとしているアシリパに「それはアシリパさんじゃなくても良いじゃないか」と保護された安寧を与えようとしている杉元は「君には無理だ。君は女の子じゃないか」と優しくウテナに諭したディオスのような、"世界の果て"になろうとしている
— 沼門 (@swam698) 2019年7月28日
でもその上で私は杉元の言うことももっともだと思うよ。アシリパに何ができる?尾形のことすら殺せなかったじゃん。父親は人の殺し方までは教えてくれなかったんでしょ。ウイルクが迷わず"正しい殺し"をするのを見ている事しか出来なかったソフィアやキロランケまでがアシリパのなれる限度じゃないのか
— 沼門 (@swam698) 2019年7月29日
「私は殺さない…」じゃないんだよ。尾形もがっかりだよ。だったら帰れっていう事を今杉元が駄目押ししてるんだよ
— 沼門 (@swam698) 2019年7月29日
私は"金塊を闇に葬る"と言った時に物理的にどうというのを想定していない。闇のお金をマネーロンダリングすることも「闇の金を葬って綺麗な金にする」という定義が出来ると考えているのでそういうのを想定している。渡さないにも手段がいる、尾形には何か当てがあったんじゃないか。資金洗浄の
— 沼門 (@swam698) 2019年7月29日
無くしたいお金は誰か使っちゃうのが一番というのはヤクザさんがたまにどっかに捨てる怪しいお金が証明している
— 沼門 (@swam698) 2019年7月29日
杉元は当事者であるが故に知らないからな。殺さないことで"偶像"になれる事もあるんだと
— 沼門 (@swam698) 2019年7月29日
杉元が“偶像”の概念を構図として外から理解する時がいつか来るとしたら、杉元はその存在をどう感じるのだろう
— 沼門 (@swam698) 2019年7月29日
杉元は本気でアシリパのためを想っているが主観で考えているのでアシリパの意思が介入する余地がなく、尾形はアシリパのためになんて気持ちはひとかけらも無いが客観で考えているのでアシリパの意思が介入する余地があるというイメージ
— 沼門 (@swam698) 2019年7月30日
他人事だからこそ「(俺にとってその方が都合が良いのは確かだとして)お前にとってもそれが最良なんじゃないのか」という“問い”に留まる尾形、自分事として考えるからこそ「(君が疑問に感じたとしても)俺はそうするのが最良だと思う」という答えをつきつける杉元…?
— 沼門 (@swam698) 2019年7月30日
尾形って知らないことは知ってみようかなっていう意欲は結構高めなんじゃないだろうか。脳味噌とか常識的にどうなんだろうっていうのは拒否するけど、麝香の匂い直で嗅いでフレーメン反応したりエタシペ食べてヴェッてなったりした行動の警戒心のなさは素な気がする
— 沼門 (@swam698) 2019年7月31日