8番倉庫

長文置き場

金カム188話「生きる」感想

 

……………(顔を覆って沈黙)

ちょっと…しばらくなんも言えないからまず先週読んでから呟いてた怒涛の絶望ツイートを貼ってこれまでの感情をおさらいさせて下さい…。

 

心情風景的には何もない部屋の隅で体育座りしながら虚空に呟くみたいな気分だったんですが、今見ると平和そのものだったなという気すらしてきました。
前回「銃撃てなくなるくらいなら殺してつかあさい」という懇願の言葉で〆たんですが…。
利き目が…。
もう銃撃てないのでは…?

※以下本誌感想ですが思うまま書いたらいつもの5割増でクズになりました。

・死んだ方がマシだった
・杉元の行動ムカつく
アシリパの誤射で死ぬくらい許してくれてもよくね?
という三点が感想の骨子なので解釈違いの方はご不快になられるかもしれません。ご注意ください。

前回の鬼の形相からの杉元の一喝によって驚いたアシリパの弓がなんとクリーンヒット。
下ろしてなかったんですね。そうですね、当たると死んじゃう、武器ってそういうもんですよね…。
悔し気な様子も、痛がる様子も何もなく、糸の切れた人形のように崩れ落ちる尾形。
しかし「じゃあな」とばかりに最期に笑ってアシリパを見やる。
こえええ~~~~~~(拍手)
根性あるよホント…もうこのまま勝ち逃げさせてやってください(涙)満足して逝かせてやってください(涙)
尾形は悪い奴です、人も沢山殺しました、親も殺しましたし良い人だった弟も殺してしまいました、アシリパの父親も言われて撃ったしついでに杉元も撃ったし、そこまで手を汚しておいて結局金塊も手に入れられなかった駄目な奴です、ひどい人間です、殺されても仕方ない人間です、気にしないでください、そんな必要ないんです、事故じゃないですか、忘れて生きていってください、だからもうここで、ここでぇええ!!(床を這い蹲って慈悲を乞う悪霊)

ていうか普通に死なないすかこれ!? 眼球は脳と直接繋がってるから指とかがっぽり入れれば死にますよね!? 強く弓を引いてないから勢いがそんなに無かったことと、指よりは太いから眼窩で止まったのだろうか…。先が眼球で止まってますもんね。
ううっ…杉元さん…その弓にはトリカブトが…あなたもご存知のトリカブトが仕込まれているんです…眼窩に入り込んだ猛毒が出血した傷口から全身に回るまで普通よりも少し時間は掛かりそうですし、苦しい死に方でしょうが、しかし放置していれば死にます…死にますので…杉元さん…どうか…うう…。
まさか先週の今週で尾形に杉元がじゅう~~~~~~するページが来るとは思わないじゃん…。
すごいページですよこれは。今週どのページもすごいけど。
なんなんだよ…どういう顔で見ればいいんだよ…主人公の初キスシーンがこうなるとは予想だにしないじゃん…。
ていうか杉元からの猟奇を恐れていたけど、まあ起こってることは猟奇っちゃ猟奇だけど、成長した杉元は想像よりもずっと理性的に動いて、むしろ尾形を生かそうとし、結果的に尾形を殺そうと発動した力というのが意思の外の“偶然”、つまり“反祝福”とでも言うべき自然の作用だったことに私は打ちひしがれ首を垂れるほか無いですわ。もう楽にしてやってくれえ!!!!(発作)
アシリパが馬相手とかにやってた、周りの肉ごと広くえぐり取るのを顔面でやったわけですか。これはえぐい。リョナラーも納得のシナリオ。
右目を瞼ごと抉り出されるわ、そこをじゅう~~~~と何度も吸われるわ尾形お前どんな気持ち!? どんな気持ちだよ!!? そりゃあ瞳孔もぐりんと上を向きますよ!! えっ意識飛んでる!? そりゃそうだな!!
しかしまあ、尾形の伸ばした髪はこのシーンのためだったのかと納得してしまう美しい絵ですね。なんなんだよこのシーン(二度目)
当初から尾形には面倒見がよかった杉元のパパみが全開ですが…。もう杉元さんとさん付けでお呼びしなければならない頼もしさですね。でも尾形は…尾形はもう…うう…つれぇ…なんだよサブタイトル「生きる」って…生きるのって辛すぎますよ…ほっといてくれ…不死身の杉元…尾形は死ねるはずなんだぁ…(今週の感想はずっとこのテンションです)
はあ…おしっこ行きたいとはぐれた白石の行動と、スヴェトラーナ宅でのやりとりがこんな形で回収されるとも思ってなかったし…。
楽しそうだ…おしっこシャワーだね…新しい門出のライスシャワー…祝福をかんじる…そして尾形がそれを浴びることはない。(浴びたいものでもないが)
流氷の下に落ちていく三八式。病める時も健やかなる時も尾形を支えてきた銃が象徴のように喪われていく。銃なしで尾形はこれからどうやって眠ればいいんだ。

だって言ったんだよ…! 金塊手放して鹿をとって故郷で暮らせって! 殺し合いから上がれって!
でもアシリパはそれを拒否した! 信用できる相手を自分で見極め、金塊の行方に自分の意思を関わらせることを選択し、その上で尾形を信用できないと拒絶して弓を向けた!
なら良いんじゃないか? 争奪戦に自主的に関わることを選んだ上で、犠牲の出ると分かっている戦いの中で、その弓が偶発的にせよ初めての犠牲者を出した! おかしくないんじゃないか?
この先ずっと潔白でいさせるつもりなのか? これまで生きるため多くの獲物を屠り血肉としてきたが人間だけは殺したくないというそのエゴを、己は血に汚れた手でありながら持てる力をもって遵守させることが、その徹底に走ることが何を生むのか杉元は自覚しているのか?
どちらにせよ潜む金塊の存在は既に多くの死者を出してきた。鍵を思い出したとしてそれは変わらない。アシリパの周りだけで勝手に人が争って、どんどん死んで、そうさせる道理を、授与された権利を御旗として持ちながら自身は何も手を汚さず象徴として収まって!
繰り返しじゃないですか! 今のアシリパは「自分"は"出来ません」と、周りで実際起こっている行為をそれでも「罪でしかなく、そうあらねばならない」と断罪するだけの卑怯な聖人じゃないですか! 背負った御旗が何を下々の者にさせているのかに目を瞑り、人の上に人を作った天、すなわち神たる父の意思に従うだけの偶像じゃないですか!
そして杉元は、自分は大勢死なせておいて特別な子供だけは清い神輿に据えるエゴの塊の大人じゃないですか! 船上での少将との会話は杉元に何を齎したんですか!?
ちょっと重くなったかと訊く杉元はアシリパのことを大人でも女でもない子供としてしか見てない! 罪悪感軽減装置として純潔潔白の偶像であるアシリパを崇拝し、勇気を与えられて救いを得ているだけの…!
杉元は幸次郎じゃないですか! また呪われろと、尾形のことを殺しもしないが生かしてもくれずこの地獄に置き去りにするんですか!?
どうして命を拾ったんだよ! 拾った猫に責任を取れるのか!? 尾形の絶望の責任は誰もとってくれないんだよお!!! うわあああああ!!!!(iPhoneを投げる)


…ハァ…。しかしつくづく恐ろしい漫画ですね…感想を書くだけで私が安楽死肯定のタナトス野郎だというクソ倫理観が露呈してしまう…生きててよかった~~!と一ミリも言わずに「アアア死ねなかったああああ!!!」とのたうち回るカスでごめんな。私はプライドのためなら死にたい人間なんだ。
おじゃま虫だぜ、とリュウを止める白石としては、尾形もやっぱりヤバイ奴だったし大変なことになったけど、収まるとこに収まってとりあえずは良かったな…とかそんな感じなんでしょうかね。
いいですよね、この三人が集まるととっても爽やかな感じ。海辺で毎回ジャンプしてたあの感じですよ。懐かしいです。
色々あったけど本当の再会を果たして、ひと段落ついて、笑い合う…。ハッピーですよね。それだけで良くないですか? 悪役は報いを受けていなくなり、綺麗な大団円…。それでいいじゃないですか。
もう尾形を悪役にしてやって下さいよ。その役目なら上手にできるんですから。
生まれた事も誰にも望まれなかったし生きていく望みも既に無いのにまだ生き延びなきゃいけないのですか?
罰を与えられず償えない罪人は何故存在するのですか…罪のない他の人間のためですか…。
生かされる生はみじめですよ。でもそれが罰の形だというなら、もうカテジナさんばりの悲惨な末路を期待するしかない。冬が来るとわけもなく悲しくなりません?

くっそぉ…この流れでは死なせねぇぞって…お前の死にこれっぽっちも関わらせるもんかって…何だよそれ…!
ムカつくよぉ!! 殺すよりはるかに傲慢な気がする! でも撃ち殺そうとした負い目があるから文句言えないよぉ!!(私は正直な人間です)
でもこんなん殺された方がマシだよお!! 杉元のバーカ! アシリパ教! 偽善者ゴリラ!
尾形はこのまま存在する代償を払わされながら生きていくしかないんですか!?
生きるか死ぬかのどっちかを望んでいたんですよ…! 死ねないし生きられない、その状態に堕とされるにはあまりにこれまで持ち得たものが少なすぎるじゃないですか…! 懐古する思い出すら無いよ! 好きな食べ物はあんこう鍋だよ! よすがも無しに漂うには尾形は真面目すぎるんだよお!!
新しい何かを見つけるなんて…生き直すなんて…そんなの自分を許せる奴の理屈ですよ…。
「お前はみんなと違うんだよ。許されないよ」というゴーストのささやきを尾形は否定することが出来なかったし、無視することも出来なかった、遂には素直に聞いて、死のうとしたんだ。
それは唾棄されるべき怯懦なのですか…!? 尊ばれるべき運命への恭順なのではないですか…!?
何の救いも持たぬ不幸な人間にだって、そして過ちを犯した人間にだって、尊厳はあるはずですよ…! 潔さという唯一残された美徳を…それに殉じる自由を…! 奪わずにおいてくれたって、良いんじゃないですか…!
だって罪悪感感じずに済んでんのは全部与えられたもののおかげじゃん! 飢えるからしゃーない、殺した獣は我々の血肉となって生きるから罪ではないぞと言い聞かせたウイルク! それを獣に対する罪悪感で殺せなくなった杉元に伝えた結果、さすがアシリパさんだぜ正しい生き方だぜ!アシリパさんの正義は俺が絶対に守るぜ!とはりきるガーディアン杉元! 相伝された免罪符の上に築かれた清らかな協調関係! わかったよ! 愛は素晴らしいよ! 人がお互いを許し合い自らの価値を高め合うポジティブで尊い生き方がそこにはあるんだろう! 正しいよ、そのまま末永く幸せになってくれればいいよ!
でもそれが与えられるかどうかは運不運でしょお!? こうすればいいんだよって周囲から善性へのフォローが入った上で保たれている正しさでしょ!? そこが偶々無かったっていうのは本人のせいではないじゃないですか! 祝福の有無を本人が決めることは出来ないのだから! 躾なしに利口になどなれるか!?
そこが与えられなかった、だから出来損なっちゃったね悪かった悪かったっつって死のうという、良いじゃないですかそれで! 仕方のないことだよ! バカかもしれない、迷惑な奴として失敗例として世界から淘汰されていく、そのことを尾形は受け容れたんだから! 偉いと思うよ!? そうするしかないという絶望に尾形は適応してみせたんだよ! あの笑みは強がりなんかじゃない、本当の笑みだったから!
尾形は悪いんでしょう!? 間違ってるんでしょう、“正しさ”を持ってる人からすれば! 許せないんですよね!?
でもやったことが本当に重い、のっぴきならない理由で犯した罪だからこそ改心だの懺悔だのという形で“過ち”として消費できなかった尾形のクソ真面目さはどうしようもないと思うんだよ!
更生は不可能! だから最後まで悪役を貫いて結果のたれ死ぬ…! その原因の一端をちょっと担ってくれるくらい…良いじゃないですか…! 恵まれた正しさをもとにお前まちがってるっつって弓向けたんだから! それがうっかり当たったってソフィアの負った罪悪感よりよっぽどイージーでしょ!? 間違いを犯させる金塊の中心にいるってのはそういうことですよ! そこに責任を持ちたいってんだったら、“自分の選択の結果による犠牲を受け入れること”こそが責任というものの本質だと思うんだ! まだ子供だし女だしってんなら、だから手放してバアちゃんとこ帰ってさっさとヒンナヒンナすべきなんだよ!! 金塊争奪戦は戦場ですよ!? フレイザードさんの名言を引用すれば戦場は殺し合いをするとこであって男も女も関係ねえんですわ!

まあ今回のは杉元が勝手にやったことなんで、その辺の甘さは尾形が身をもって「分かったらさっさと帰んな」とアシリパに思い知らせた構図だとして…杉元な~~~、脳カケにまでされた以上何したって文句言われない権利はあんだけどさ~~! それにしたってぐぬぬですよ…ムカつく…禊済みですみたいな顔しやがって…ッ!
私は許されなかったり、悲惨な死を遂げたりするような環境の不公平っていうのはけっこうどうでもいいんですよ。それよりも、正義ヅラしたやつが、その正しさの文脈に他者を組み込んで“生き方の格”みたいなものが勝手に決められて下にされんのがムカツクんですよ。“改心”以外の選択肢奪ってくる感じがさあ。私“宣教師”って概念大嫌いですからね。へえ~偉いんだなあ!?(ブチギレ)という気分にさせられる。
なにがマタイだクソが。ウチは仏教徒じゃいボケ!! 存在を否定すんなら責任もって殺せ! 実際そうしてきたのが一神教徒だろ! 原爆はやむを得なかったとか言ってたやつらが爆心地に教会があったと知った途端手のひらクルーして罪認定した、そのへんが人間の善とかいうものの限界なんじゃないですかね!?(どんどん怒られそうな話になってきました)
まあ杉元は尾形をどう扱おうと自由としても、尾形がこの救命を感謝しないことくらいは許されてもいいっすよね…前回尾形の杉元に対するフィーリングを想像して「キモい」という言葉に落ち着いたけど、やっぱ尾形にとっての杉元めちゃくちゃキモいでしょ…吸われて嫌がってる猫を連想した…(そんな次元の話ではないけど)

ハ~~~尾形の人生マジでクソ。せめてもうアシリパと離れた方がお互いのためなんじゃないかな。アシリパも傷見るたびに辛いだろうし、あの笑顔トラウマでしょ。恐ろしい妖怪に出逢ってしまったと思って尾形のことは忘れようぜ。尾形もこうなったらもっとヤバイ場所に行ってもっとヤバイ死に方しよ。死に方が非業であればあるほどキミもすっきりするだろうからな。
わかってます、私の言ってることはメチャクチャなんでしょうね。生きようとすることこそが善であり正しく、その妨げになっているものがあるなら除こうという努力をする姿こそが理想なんでしょう。目指すべき人道、なんですよね。たとえ生誕も生存も誰にも望まれていない人間であろうと。 ペッ!(目汁吐き出し)
でも散々管巻いたおかげで情緒が安定してきました。何だかんだ矢が目に刺さったコマを見てるとちょっと興奮してきます。やっぱアシリパ相手でも尾形は蹂躙される側なんだなって。汚れるシーンはあんま無いけど穢れるシーンに関してはエキスパートの尾形さん。江渡貝邸でのマウンティングボッコとかもさ…どこかぼんやりした顔で痛めつけられる姿にグッとくるんですよね。あわれで。レイプ目だし。(元々だろ)
唯一の誇りだった銃も取り上げられちゃったことだし、もう私はこの先とことん尾形の哀れな姿を期待する鬼畜と化しますわ。トレードマークの軍服も脱いでさ、服装変えてイメチェンしようよ。和服とか着たらいいんじゃないかな。だってもう軍隊じゃやってけないもんね。何ならやっていけるだろう? 作中で兵士か用心棒か狩人しかやってないもんなあ。わかんないやアッハッハ!