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長文置き場

金カム170話「亜港監獄の女囚」感想

うわあああああああ!!!!
あっ…ああ…すみません…取り乱しました…もう大丈夫です…はい…(勧められたパイプ椅子に座って貧乏ゆすりをしながら忙しなく視線を彷徨わせる)
今週も尾形が登場して精神が不安定になったので170話の感想を書きます!!

久しぶりのファンシーどうぶつ表紙→屠殺コンボが来ました。シロイルカさんの「グーッ!!」と無慈悲な貫通描写に申し訳ないけど爆笑した。シーシェパード激怒!ファッキンジャップ!!!サノバビッチ!!!(脳内捕鯨紛争)
お船に乗ってニヴフのおじさんとイルカ狩りに来たらしいアシリパさんと尾形。見事仕留めた尾形にゃん、帽子の上からあたま撫でてるうううう!!!かわいいいいいい!!!!
やっぱりあのどんなもんだい仕草は髪ではなくて実は頭を撫でてたんでしょうか? セルフえらいえらい? あとセルフどんまい? 心がかき乱される。
そんなテッテレーと効果音鳴ってそうな尾形を「やったな尾形」と力強く称賛するアシリパさん。ちゃんとペットを褒める飼い主の鑑。アシリパさんは誇り高いエゾオオカミを長年パートナーにしていたトップブリーダーですからね。
しかし今回の狩りメンバーはこの二人だけですか…わりと二人で行動すること多いですが、白石はその辺どう思ってるんでしょうか。オロッコの時は銃声にビクッとしてましたが。尾形にも目的ありそうだし当面はアシリパさん任せても大丈夫だろうと思ってるのかな? まあ大丈夫じゃ無さそうでもそれこそ臥せってでもいないとどうにも出来ない相手ですけど。その辺の割り切りはクレバーですよね。
言葉の通じないニヴフのおじさんを船頭に、二人向かい合わせでイルカのとこまでどんぶらこしてきたんでしょうか…かわいい…この二人にはキュンキュンしっぱなしですわ…俗にいう尾リパってことではなくて、アシリパさんとでかい二足歩行の猫みたいな…そもそも恋愛感情みたいな高度な社会的感情を有せる尾形って解釈違いなんで(気難しいオタク)
普通に作中で特に何の打ち合わせもなさそうに隣で飯食ったり一緒に橇乗ったり外套に頭突っ込んだりしてる今の感じがかわいい…いやされる…
「クジラ肉か…ハラショーだぜ!!」って白石の後ろで顔覗かせてるCatもガワイイイイ!!!! 背景?背景なの? マジで尾形ってヒゲ生やしてないと子供の頃の百之助ちゃんが縦に伸びただけの変化しかしてなさそう。
くじら汁には不可欠と聞き、実はずっと持っていた杉元の味噌を断腸の思いで差し出すアシリパさん。
「杉元のオソマついに無くなってしまった」と悲しそうに空の容器を見つめる。買い足せば?と言われても「杉元のオソマじゃなきゃ嫌だッ!!」と健気に突っ張り。「そのうちまた食えるよアシリパちゃん」良い奴だなシライシィ…
しかしやっぱりオソマはおいしい。「ふうう…ヒンナヒンナ」と涙しつつハフハフするアシリパさん…人生はほろ苦い…その時ふと、「ヒンナ」という声が。
振り向くアシリパさん。そしてもう一度、尾形が言う。「ヒンナ」

わああああああああ!!!!(iPhoneを投擲)
こ、ここで!!!!とうとう!!!170話目にして!!!!このタイミングで!!!!!
抱えきれないよお!!こんな感情抱えきれないよお!!!!
思えばこのブログも160話の掲載時から尾形へのクソデカ感情を整理するためひっそりと更新し始めましたが、17巻やばくないすか? 160話~今回の170話までがひとまとまりとして本になるんでしょ? 山猫スペシャルじゃん。
スナイパーとしての山猫に始まり、化け物としての山猫を経て、満を持してのヒンナでしめくくる…ぱねえ…聖書じゃん…大事にしよ…
こうやって17巻に収録予定の一連の内容を今振り返ってみると、どうして「たらしこんでみせましょう」とか「山猫の子は山猫…」ってくだりを経てきたのかようやく分かりました。つまり、いま山猫がたらしこんでるのは、だましているのは、他ならぬアシリパさんなんじゃないか…という話だったんですね?
しかし言葉にされない端々で、それがミスリードである可能性も示されている。いや~~マジでゴールデンカムイって面白いな。漫画だけど文学的ですよね。行間があるというか…ソフィアさんの行間は全然読めませんけど…
実際どうなんだろう…このヒンナはなんなんだろう…わからない…こわい…
一番平和な解釈としては、本当にヒンナと思った説。ヒンナって感謝の言葉って聞いたし、狩人尾形としては狩った食い物に対して感謝も何も殺してんだから、相手もいないのに言ってどうすんのって感じだったんだけど、最後の大事な味噌を使って作られた鍋は特別だと理解する情緒があって、それを食わしてくれたアシリパさんに、尾形なりに感謝の気持ちがあった。
それか、悲しそうなアシリパさんを喜ばすため…「杉元のオソマじゃなきゃ嫌だッ!!」とクッ!!って顔するアシリパさん。そして尾形は「あの人の好きなあんこう鍋じゃなきゃ」と毎日作り続けた母親に、せっせと鳥を運んだねこちゃんである。尾形には“代わりのものをあげようとする”傾向がある。女を知らずに死地に赴こうとする弟に童貞を捨てる事を断られ、代わりに戦場でも手を汚さずに最前線を突っ走ろうとする勇作に人の殺し方を教えようとした。父には勇作が居なくなったら代わりに自分が愛おしくなったか聞いた。(これは肯定を受け取らないためにわざわざ今わの際に問うたんだと思うけど)杉元が持ってる味噌を自分は杉元じゃないから持ってない。自分に対してアシリパが唯一要求していたものがヒンナだった。だからここで言った。唯一してあげられることだった。
あるいは重要ワードの罪悪感。尾形は“それ”があの人のお陰で今は分かっているとして、杉元のことをアシリパがどう思ってたか尾形は知ってる。話題に出て、これはそういう思いの詰まった食べ物で、それを食しながら、せめてもの…
う~~~ん平和な解釈でも辛~~~い^^尾形というキャラが辛~~~~い^^
平和じゃない解釈としてはたらしこみの一環とか、もしくは杉元を忘れさすため。尾形の中での杉元の立ち位置で、なんか明かされてないものがあるんじゃないかって考えはまだ持ってるんですが。のっぺらぼうから、もし何か聞かされてたら困るからあの時撃ったっていう以外に…それともその「聞かされたら困ること」の中に、キロランケとの共謀関係でも共有されてない何か重大なことがある? その後アシリパを引き離したことを考えれば杉元がそれを聞いて、かつアシリパに伝えられたら困るような何か?「アイヌを殺したのは私じゃない」こと?「金塊…」の後のこと? だとしたら何故それを尾形は知ってるのか? 流石にアイヌ殺しには、土方にわざわざ動機を聞き出してたから関わってないと思うんですが。じゃあやっぱ金塊…の続きの方で何かあるのかなあ。
まあヒンナの話に戻りまして、一番単純な説としては、以前「好きな食べ物ならヒンナできるか?」ってアシリパさんに言われて、この鍋が好きな食べ物だったからヒンナした。とったらほめてくれた。おいしい。これすき。みたいな。
多分、アシリパさんが「ヒンナヒンナ」って言うから「ヒンナ」「ヒンナ」って二回言ったのかなと思うんですよ。たどたどしい~~~ッ
トモ…ダチ?とかコレガ…ナミダ…?とかそういう感じですよ。ロボですよ。ザイ…アク…カン? いじらしさにオイルでアイセンサーがかすんできました。
チタタプもこういう時こそ言うんだぞって教えられて「チタタプ(超小声)」だし。少しずつ学んでるう…尾形って上の方で考えることはよく出来るけど、深いところとか後ろの方から出てくるものが全然未熟なんだろうな。全てのことには理由があるって言った男だけど、だからこそ理由のない感情、嫌だとか嬉しいとか、そういうのが全然わからない。
アシリパさんから少しずつ学んでるのかな? 倣うようにし始めたのは知りたいものをアシリパさんが持ってるから? 今まで人間社会で頑張って獲物あげたりしても失敗し続けてきた原因の大きな一端である「なんでその人じゃなきゃダメなのか」っていう感情を今回は知りたかったのかな? だから倣ってみたのかな? どういう解釈してみてもつらいな~~~^^

ウテナの話に出てくる寓話でロボットは疲れない、ロボットはずーっと動ける、だからいっぱい捕まえられる、ロボットは寂しくない、と述べるロボットに「でも、あなたを見てる方は、寂しくなるわ」っていう台詞があるんですが、そんな感じですよね。孤高すぎるから平気にしてるけど見てる方は寂しくなる。
だからポロっと感情っぽいものが出てくると途端にその強靭さがとんでもなく脆いものに見えて動揺してしまう。お前アカンのとちゃう?つらいんとちゃう?と庇護欲がゴリゴリと掻き出されてしまう。
「尾形お前…いまヒンナっていった?」っていうコマ、よく見ると尾形、クッソ無表情だけど頷いてるんですよ。コクリ(ゆった)ってことですよ。かわいすぎるでしょ!!!!????(キレる)「もう一回言えるか? ほら…!!」って打ち震えてるアシリパさんも含めてこのコマ尊すぎてああああ!!!!
チタタプの時といい、「言ったよな? 尾形いまヒンナって言ったよな?」とはしゃぐアシリパさんに大人たちはしらーっとした表情。まあ普通に喋れて意思疎通できる大のおとなが、ある特定の言葉を言ったところで何なんだっていう反応は至極真っ当ですが。
アシリパさんは完全に尾形というアニマルだとみなしているからね。でもアシリパさんの見方が尾形に関しては正しいんじゃないかという気がする。社会性がユニーク過ぎるからまっさらな生き物として見ないと失敗しそう。勇作さんみたいにね!ハハッ
何にせよ自分からヒンナと言った尾形の心を思うと私の心も千々に乱れます。重いですよね言葉が。だからこそ本当のヒンナが言えてる感じがする。こいつはヒンナだぜ!っていう、こいつはうめえぜってニュアンスでカジュアルにポロっと言っちゃえない代わりに、宗教的意味合いを含んだその言葉をちゃんと“呪文”として使えてるというか。
少なくともおいしかったのは確かだよね…よかったね尾形ちゃん…

そしてソフィアさんの事に関して、キロさんのとんでもない計画が明らかに。囚人全員解放…ど、どうなんすか? 網走のような虐殺は起きないにしても、犯罪者を娑婆に解き放つことが治安の悪化を招かないはずがないと思いますが…おそロシア
で、その計画を聞いた尾形のこの笑みは何なのおおおお!!!久しぶりの笑顔だよ!!ここでなの!!もしかしてこれがキロランケに同行した目的に関係あったりするの!?
それともふうん(笑)面白いじゃん(笑)っていう反応なの?心乱れるわ…尾形にゃんは何をしようとしているの…とんでもないことをしそうで怖い。それでいて絶対に憎めないと自分が分かっているからこわい。恐ろしいキャラですわほんま。

というわけで尾形のヒンナ記念回でした。赤飯炊いてお祝いですよ。尾形には…山で鹿を撃って脳みそを食わされて、小声でチタタプして、ヒンナヒンナしていて欲しいんだよ俺はッ!!