8番倉庫

長文置き場

金カム162話「狙撃手の条件」感想

尾狩たぁ…。かっこいい…。
大変盛り上がってまいりましたスナイパー対決。静か動かで言ったら限りない“静”の闘い…しびれるう…
一瞬の邂逅だった尾形の様々な瞬間の表情を切り取って我々にお届けしてくれるヴァシリさん。「腹を撃ったのは~」の完全に猫系の化け物な尾形の顔がとてもいいですね。フワフワオロッコ帽子も尾形にかかれば闇属性アイテムになるんですね。カワイイよ。
そして「良い狙撃手とは…」のところの尾形のこの艶めかしさは一体何…しゅごい…あんこう鍋の「父上は俺を想ったのか…」以来ですよこんな匂い立つような湿った色気をヤツから感じるのは…笑ってるような笑っていないような…アルカイック…涅槃…?(トリップ中)
ヴァシリ殿、こっちを見ている尾形の顔を思い返しているということは、前回の「ははッ」のとき実際に目と目が合っていたんですね。ステキ。視力がいいって素晴らしいですね…離れていても見つめ合える…

しかし尾形ちゃんは知らないと思いますけど、今ゴールデンカムイはアニメが放送されていて、ちょうど谷垣狩りのところがオンエアされたばかりなんですよ。
「“奴”がノコノコと姿を見せるわけがない」
えっ…
「そう…助けに出てくるような奴ではないだろうな このうめき声を一晩中聞いても平気な人間のはずだ」
ええっ…
「狙撃に向いてるやつってのは 臆病なまでに慎重なもんだ」

(…俺と違って。)と言いたいのか…尾形…?

そんな…お、お前も大したヤツだよ…? 自信持てよ…! お前はお前で素晴らしい狙撃手じゃんか…!
いやまじで、今週の尾形の言ってること全部、「あいつはたぶんおれよりすごいそげきしゅだから」っていう話をしてるんだったらどうしようと思って…そんないきなり素直になられても…!?
今週を踏まえて改めて谷垣狩りを見ると尾形サイコーにかわいいですからね。
まず二階堂を助けちゃう。罠のつもりの焚火と鹿だったって理解したし、撃つとまずいと分かっていながら、二階堂の早く撃てクソ尾形ぁぁという悲鳴を一晩中どころかおそらく十秒ちょっと聞いて助けちゃう。
そして「さあ俺はここだぜ谷垣! 銃なしでどう戦う? 石でも投げるか?」って両手広げちゃう。完全にヤケクソだよ。

先週で、尾形はキロランケの皇帝殺しまでは把握してないってことが判明したじゃないですか。「あるいはアンタのことか」って杉元撃った理由を話してる時に言ってたのは、皇帝殺しのことだと思ってたんですけど違ってました。全部を把握した上でそう言ったんじゃなくて、裏切ってる特殊なキロランケの立場を踏まえた上で、なんかもっとでかい訳アリなのは分かるから、フワッと鎌かけ半分に言ったみたいな…そういう感じだったんですね。
私、先々週のウキウキ山馴鹿狩りの回でチラッと思いつつ、そんなまさかハハハと思って流した感想があるんですよ。みんなでパン食ってるとこで、白石が「今日のことは全部予定していたことなんだ? オロッコと接触した目的はなに?」ってキロさんに探りを入れるじゃないですか。その時の尾形のコマ…相変わらず無表情にパン食ってて何考えてるか読めないんですけど、初めて見た時…「それ俺もききたかったんだよな」って顔に見えるなって…そうだったらどうしようって…
一度はそんなわけないない!と思ったけど、でもキロランケのこと知らなかったんならやっぱ…なんかそう見えてきて…おま…百之助ちゃん…おま…大丈夫なの? ちゃんと色々考えてついてきてるの? パン食ってる場合なの? わたしとても心配です。

こないだのカラー表紙の時もそうですけど、よく杉元は「勇気」を持つものと称されるじゃないですか。恐怖を持ちながらもそれに支配されず打ち克つ強い心。
対して尾形はそもそも恐怖ってものに対する反応が鈍いじゃないですか。うわヒグマだやべえとか、うわびっくりしたとか思うことはあっても、まだ訪れぬ何かにヒタヒタと怯えるような、そういう己の心の内から生まれる恐れみたいなものとは無縁な感じじゃないですか。そういうの欠け気味だから。
なんか、尾形は「のんき」って感じじゃないですか? 尾形ってのんきじゃないですか?
初登場の時も「手に負えん。片腕だけに」とか言ってる間に死にかけるし、谷垣狩りの時もヤケになって俺はここだぜ!つって撃たれた後、ゴホゴホしながら「三島かな?」ってさ、君すごいラッキーだったんだよ? 死ぬとこだったんだよ? 辛くも命を拾った自覚はあるのかな?
茨戸でも「ヨイショヨイショ」って登ってるオマケ絵ちょうのんきだし、「逃げ時を過ぎていた」とか冷静すぎて逆に大丈夫かよっていう評し方だし、番屋に火つけてどんなもんだいした方法は永倉おじいちゃんに「我々も考えてたけど一歩間違ったら刺青人皮燃えちゃう危険な方法だからな」って諭されてたし…
江渡貝邸をなるほどなるほどって見回ってる間に月島軍曹にうっかり大事な人差し指飛ばされかけるし…ビックリした猫ちゃんみたいな顔してっけど銃撃てなくなるとこだったじゃん…トロッコゲームは上手く操作できて「ははあッ」とか言っちゃうし…
今回の襲撃も、「そもそも国領侵犯だとして、いきなり国境守備隊に襲われたなんて聞いたこともない」って言ってたから撃たれたのは完全に予想外。それですぐ「38式を装備してる奴を狙ったか。期間限定でベルダンと交換してて命拾いだぜ」って分析できる冷静さは素晴らしいけどさ、「それにしても乱暴だな」じゃあないんだよ…命拾いという感慨が軽すぎるんだよキミは…
いや恐怖を感じないからこそ強いし、動揺しないからこそ冷静な判断ができるし、長所だというのは分かっているんですけども。魅力なんですけども。
度を超えた冷静さというものはのんきと紙一重ということなんですね。ひとつ勉強しました。

あの谷垣狩りの時みたいに雪の中で白い息を吐きながら、「そう…助けに出てくるような奴ではないだろうな」とフードの下で浮かべる微笑みは自嘲の笑みなのか。だとしたら超カワイイな。頭撫でてやりたい。
たぶん本当にどっちでもいいからこそ助けちゃうみたいなとこあるんでしょうね。助けたいって思いが強いわけじゃないけど絶対助かりたいって思いも別に強くないからう~んとりあえず撃ってみよ~みたいなとこあると思う。軽率な善良さ。この無情だけど奉仕的なかんじを言葉にするのは難しい。無邪気?

今回のベストショットは、やっぱサブタイにもかかった「良い狙撃手とは…」のエロスナイパーかな…でも「私が奴なら…私を待つ」のとこの狙い撃ち猫ちゃんも最高にカワイイな…先週の「いまだッ行け!!」のとこは美しかったし、オガタはどんどんキレイになるね…本当に愛らしい…(姉畑先生)
「やつらから直接聞き出すさ」と言っていた尾形だけがキロランケの重大情報聞き逃してる状態なのが面白いですが。ユルバルスって言うんだって尾形ちゃん!あとで教えてもらえるといいね!それともヴァシリ殿に教えてもらうの?ヒュ~ゥ!
モノホンのプロの狙撃手という感じのキリっとした俺様支配者なヴァシリさんと、妖怪山猫スナイパー尾形。初めて尾形と仲良くなれそうなキャラクターの登場にドキドキが止まりません。来週死にそうですけど。どうする万が一仲間入りしたら?薄い本が厚くなるな。
というわけで尾形が心配という話でした。がんばれ尾形!ちゃんと考えろ尾形!気をつけろ尾形!